突然出版の夢が叶いました!
実は私は、かつて作家志望でした。
一度だけ、阿刀田高さんが選出される怪談の公募で佳作に選ばれ、文庫本に掲載されました。
それから20年以上が経ち、小説家の夢は胸の奥にしまいこんで「言葉を伝える仕事」に精を出しておりました。
いつしか小説でなくてもいいから本を出したいと願っていました。
大手出版社の副編集長さんを紹介してもらい、編集長会議まで進みましたが「圧倒的に認知度がない」という理由で却下。
それから8年が経過しておりました。
なぜ万華鏡の本を出版するの?
万華鏡作家・鈴木明子さんとの出会い
万華鏡の絵本って何?
聞いたことないけど?
と思われたあなたは正しいです。
なぜなら、初の試みだから。
万華鏡作家・鈴木明子さんとの出会いは2021年秋。
私の高校時代からの友人・匂梅ちはるが、万華鏡作家としてデビューしたと知らせを受けました。
そして万華鏡作りのワークショップをすると言うので会場の百貨店へ行きました。
あいにく、私が出かけた日は匂梅さんは居なかったのですが、
そこで出会ったのが、彼女の大学の同級生でもあり、万華鏡の師匠でもある鈴木明子さんです。
同学年でもあり、共通の友人でもある匂梅の話でも盛り上がって
更に私が講師であることから、講座を一緒にできないかという話に広がりました。
その時に、私が九星気学鑑定を始めた事から
「暦」の話になったのです。
鈴木さんはアメリカで万華鏡作品のコンテストに入賞した実力派。
でも、アメリカの万華鏡は、私たちが知るものとは全く違うというのです。
大きさも、望遠鏡かと思うほど大きいものもあるし、
なにより万華鏡は「おもちゃ」ではなく「工芸品」であり「アート作品」である。
この事実を知り、鈴木さんが作った万華鏡を見て驚愕しました。
その時は「すごいね~」と感心して終わったのですが。
突然の出版の連絡
2022年になってすぐ、鈴木さんから、九星気学の鑑定依頼が入りました。
息子さんが東京の専門学校へ進むのを機に、借りていた東京オフィスを引き払い、
息子さんの住むマンションのリビングで講座を開けるようにしたい、とのこと。
そのための引越日の鑑定でした。
そして、鑑定書を渡しに行った日に、
京都の出版社から万華鏡の作品集を出さないか、という話が来ている、と聞いたのです。
「すごいね~!よかったね~!」と喜んでいたら、
「私ね、アメリカのカレイドスコープ(万華鏡のことです)ではなくて、
日本の万華鏡を作りたいの。
日本古来の文化や、日本人がこだわってきた色で表現したい」と話してくれました。
その時に、過日盛り上がった二十四節気の話が出たのです。
そして「高山さんが文章を書いてくれたらうれしいんだけど」と言ってくれました。
私は冗談半分、お気遣い半分だろうと受け流して
「書く書く! いつでも言って~!!!」と返事をしていたのです。
すると、立春の日、まさに二十四節気が始まる、その日に
鈴木さんから「出版社へ行くので、いっしょに来てほしい」と連絡が入ったのです。
彼女は決して冗談で言っていたのではなかったのです。
しかも、彼女は二十四節気をテーマにするから、万華鏡も24本作る、
だから、私に24話のショートストーリーと書いてほしい、と言い出したのです。
こうして出版社への挨拶に行くことになり、あれよあれよという間に話が進みました。
そして、私が書いたデモ原稿が一発で採用され、3月には出版が決定しました。
これを奇跡と言わずしてなんと言おう!?
こうして、私の出版の夢はあっけない形で叶うことになりました。
作品集から絵本へ
元々は、鈴木さんの講座のテキストも兼ねた作品集、という話でした。
ですが「ただの作品集にしたくない、万華鏡を知らない今の子供たちにも見てほしい」
という鈴木さんの想いから、企画自体が変わってきました。
さらに、彼女は新進気鋭のイラストレーターと知り合い、
彼に私が書くショートストーリーの挿絵を描いてほしい、ということになりました。
今年、専門学校を出て就職したばかりの、
赤松佐助くん。
弱冠20歳。
彼の絵を見せてもらった私たちは
「これは小さな挿絵じゃもったいない」ということになりました。
とてもファンタジックで、これなら読み聞かせに良いのではないか。
そして、1話につき原稿用紙5枚分(2千字)は絵本には文字が多すぎる、
ということで一から書き直しになりました。
私自身は、まず文章が世に出ることがうれしいこと、
何より鈴木さんの
「万華鏡の美しさを一人でも多くの人に伝えたい、
そしてすたれゆく日本の文化や季節感を伝えたい」
という熱い想いを「伝えたい」と思っています。
できれば12月には書店に並べたい、
クリスマスプレゼントにこの本を渡してほしい。
そのためには12月初旬に出版が必須でした。
みんな各々の仕事を抱えている中、11月に校正。
何度も何度も確認をしました。
入稿締め切り日の夜まで変更が続きました。
そして出来上がったレイアウトを見て涙しました。
美しい本ができました。
どうか、一人でも多くのお子さんが「わー、きれい!」と喜んでくださいますように。
一人でも多くの大人たちが「季節を大事にしなきゃね」と感じてくださいますように。
どうぞ、お楽しみに。
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